DIG WHAT!?-開発部-

包丁、日本酒、次のヒットは?
日本が誇る文化を世界へ。

新商品の発掘と輸出入を手がける開発部では、これまで乳酸菌や乳タンパクといった食品原料の輸入をメインにしてきました。輸入の売り上げが90%を超えるなか、輸出も増やしたい。輸入拠点だった海外事務所をハブとして、メイドインジャパンを海外へ。日本のいいものを掘り起こしています。

乳製品の原料を輸入。
世界1位のメーカーの、
認定代理店です。

開発部が輸入販売してきたのは、乳酸菌、酵素、乳タンパク、乳糖といった食品原料。チーズに強い野澤組だけに、乳製品まわりの商材がメインです。乳酸菌はヨーグルトやチーズの製造に必要不可欠。デンマークにある世界1位のメーカーに認定された、唯一の日本エージェントである私たちが、日本の乳製品メーカー各社に販売しています。
乳タンパクや乳糖は、チーズ製造の際に生まれる副産物です。これをドイツやオーストラリアから輸入して日本企業に販売。プロテインやスープ、お茶づけの素、チョコレートなどに使われています。特にプロテインに使われる乳タンパクはスポーツクラブ向けを想定していましたが、コロナ禍の巣篭もり需要でトレーニングを始める人が増加。ECで大きく販売を伸ばしました。

メイドインジャパンは、高い。
高くても買われる、
最高級の品質を。

輸入だけでなく、メイドインジャパンの輸出にも力を入れています。その第1弾となったのが、2007年に販売開始した、自社包丁ブランドTAMAHAGANEです。海外の展示会でトマトを切ってもらうだけで、その切れ味の鋭さは伝わる。ロンドンの高級デパート「ハロッズ」でも扱われ、世界各国のシェフに使用されるほど、クオリティが認められています。
また、包丁に加えて洋食器など家庭用品だけでなく、ここ数年は日本酒やクラフトビールにも手を広げています。オランダ、ドイツ、フランス、デンマーク、ポーランドなど、日本酒文化のない欧米に紹介。日本酒も大手酒造メーカーのものではなく、地酒などこだわり抜かれたユニークな逸品をチョイス。クオリティを伝えています。

え、「茶室」って
輸出できるんですか?
モノだけじゃない。
文化とストーリーを届ける。

最近、開発部が手がけ始めたのが、お茶。北米やアジア圏では人気の高い抹茶を、ヨーロッパ各国へ。メインとなる開拓先はティーショップですが、オーガニック志向が一気に高まっているヨーロッパではスーパーマーケットでの販売も狙える。戦略を練っています。
お茶の輸出ならまだまだ常識的ですが、野澤組はなんと茶室も輸出。有名大工を知人に持つ社員のアイデアで、200万円代から買える組み立て式の茶室を海外富裕層に紹介。家で茶会が開けます。フランスの個人顧客への販売だけではなく、現在はマレーシア個人顧客との商談も進んでいます。地酒や有名大工による茶室など、私たちが大事にしているのは、商品の品質だけでなく、その裏側に潜むストーリー。外国人が共感し、憧れるメイドインジャパンを発掘し、まずは自分がとことん理解する仕事です。

-DIG&DIGなエピソード-

かわいい子には、
海外を旅させよ。

どんな日本製品なら人気が出るか。開発部社員に重要なのは、海外目線を考えられる想像力と共感力です。そのためには、やっぱり海外を肌で感じなくては。5年におよぶ海外駐在は、当たり前。海外転勤も当たり前。学生時代には海外旅行を重ねることがオススメです。

和食レストラン事情に
詳しくなる。

たとえばオランダなら、寿司のテイクアウトは以前の流行で、今は焼き鳥や串揚げが流行っている、とか。日本酒はアルコール度数が強いと勘違いされている、とか。「今流行りの食べ物に合う飲み物はこれだ」「懸念を解消するには、こんな商品を作らないと」などなど、アイデアのヒントになります。

製造現場をよく観察しろ。

地方の酒蔵や、日本茶の製造工場に、絶対に赴く。それは商品ストーリーを理解し、お客様に伝えられるようにするため。こだわりが感じられるクールなビジュアルも重要。海外に紹介するための写真やビデオも撮影します。

-私のDIG&DIG-

日本の酒蔵で、
アジアの展示会で。
少数精鋭だから、
自分で考え、自分で動く。

チア・フアミン開発部2021年入社

日本の酒蔵で、
アジアの展示会で。
少数精鋭だから、
自分で考え、自分で動く。

日本のアニメが好きになり、
日本語に興味を持った。
日本食が好きになり、
貿易に興味を持った。

生まれ育ったマレーシアでは、兄と一緒に家の前でレモネードを売ったり、公園でお菓子を売ったりするのが楽しかった。商売って面白いなと。日本に来たきっかけは、名探偵コナンが大好きで、日本語に興味を持ったこと。日本の大学で日本語を学び、新卒で野澤組に入社しました。日本に来て日本食に夢中になったことから、その魅力を海外にも伝えていきたいと思うように。私が所属する部署では、日本酒やお茶などを海外へ輸出しています。最初はお酒の基礎知識を学ぶのですが、実際に各地の酒蔵へ訪問して作り方などを実際に学ぶんです。ものづくりへの興味関心が深まります。

南は長崎、北は北海道。
日本の酒蔵を、
もっと世界に広めたい。

九州から東北まで15~20軒の酒蔵さんと関わりがあるので、国内出張にはよく出掛けています。今年の5月にタイで食品展示会があり、野澤組として出展。事前にパンフレットを制作して、ブースを自分たちで企画。すべてが0からだったので大変だったのですが、現地に行くと、タイ以外にもマレーシアなどいろいろな国の人がたくさんいて、味の好みや国民性が滲み出るようなお話を直接聞けたのは楽しかったですね。
この展示会では開発部はお酒のジンを提供していて、同時に機械部がかき氷のマシンを出していました。「だったら機械部とコラボしよう!」という事で、シロップの上からジンをかけた大人っぽい味のかき氷を提供。東南アジアは甘めが好き、ヨーロッパは舌で感じる味よりも香りを大事にするのでドライな方がいいとか、国・地域の嗜好に合わせて考えることもすごく面白いです。

日本のお酒と中国のお酒。
欧米人がラベルで違いをわかるためには?

タイの人からすると日本の物価は高い。でも、日本のものは品質がいいので、価値を感じてもらえれば価格競争にはなりません。酒蔵さんの写真や動画をお見せする。お米やお水の品質について語る。実際の商品を現地へ送ってテイスティングしていただき、オンラインでプレゼンする。価値を理解してもらうためには地道な努力が必要です。逆に酒蔵さんも輸出未経験だったりすると、どうやったら売れるのかを一緒に考えながら奮闘します。たとえば、海外の人が見た時に、日本酒のラベルが漢字だけだと、日本のお酒か中国のお酒か分からない場合もあるんです。そこで、アニメ風のラベルにして日本らしさを出しましょうとアドバイスしたこともありました。商品の良さ・魅力をどうすれば感じてもらえるか。これからも相手の思考・嗜好を考えつつ、見識を広めながら積極的に挑戦していきたいです。