DIG FOREVER.-繊維部-

デニムから、特殊生地まで。
長く使える商品を届ける。

デニム商品を中心に、様々な生地を輸出入する繊維部。特にデニムは、中国のグループ会社に縫製工場と加工場を構え、最終商品である衣服を生産。日本のアパレルブランド各社に納品しています。日本人スタッフを駐在させ、ジャパンハイクオリティにこだわる。商社としては珍しいその体制は、もはやメーカーと言ってもいいくらい。

速さと質は、矛盾しない。
デニムのスペシャリストですから。

繊維部の拠点は東京と大阪。東京チームはデニム商品をメインに扱います。来年のシーズンに向けてブランドのデザイナーから要望を受けると、生地やボタン、糸、ファスナーなど仕様を提案。中国山東省の工場でサンプル作成から本生産まで一貫して行います。現地に日本人が駐在しているため、服に求める細かなニュアンスまで伝えられる。高い加工技術を活かし、少ないサンプルの作成回数でお客様の要望をクリアできる。質を落とさないスピード感が強みです。
社員はデニムのスペシャリストとして、触ると生地の良し悪しがわかるようになります。「やっすいデニム履いてるな」と、仲間にバレてしまった社員も。

デニムだけじゃない。
サテンや特殊生地も。
サスティナブルな生地を揃えています。

大阪チームは主に国内産生地の輸出を担当。扱う商品はブライダルのウェディングドレスに使われるサテンなど昔ながらの高級品から、手術着用の血は跳ね返すけど汗は通す特殊生地など技術の結晶まで多種多様です。
特にヨーロッパでは「サスティナブル」かどうかが問われます。環境に負荷の少ない製法・素材かどうか。手術着は日本の合成メーカーとスウェーデンの会社と3社で協働して開発した、使い捨てではなく洗えるものになっています。デニム商品の色を落とすために必要な大量の水にも、濾過して何度も使うエコウォーターを使用したり、加工に失敗した生地でリメイク雑貨を作ったりと、エコな事業活動を心がけています。

何があっても、絶対に
デニムを日本中に届けたい。

コロナ禍で繊維部も大きく動きました。休業要請が実際に行われるかわからなかったため、アパレル商品の納品を遅らせることはできない。ただし、国際流通網では救援物資が優先されたため、衣料は最後。間に合わせるためにフェリーではなく飛行機で送る。すると送料も増える。コスト高でも中国工場から日本へ納品しましたが、結局休業になってしまった。でも後悔はしていない。どんな時でも納期は守らなくては。正しいことをしたと考えています。
また、買い物機会が減ったなか、店舗での衣料の購入は少なくなる。そこで繊維部自らEC販売を始めました。初めてのことで、蓋を開けてみると、さあ大変。ラインナップはどうする? どんな写真を撮影する? サイトデザインは? 少し時間はかかりましたが、7月末に無事オープンすることができました。

-DIG&DIGなエピソード-

デニムは洗いが命!

デニムの色には、洗う回数、時間、薬品によって微妙な変化があらわれます。サンプルで満足した色も、大量生産の時とは洗う設備が違うと、まったく同じ色を出すのは難しい。現地駐在の日本人スタッフが、実際にその目で確認しながら細かい調整を行います。

起源はギャルブーム。

野澤組が中国工場でデニムを生産するようになったのは2005年。背景には2000年代のギャルブームがあります。当時、109系のショップが大人気。日本製の品質を維持したまま、大量生産がしたい。そんなニーズがブランドにはありました。そこで海外でふさわしい地を探しまくった結果、今も工場を構える中国の山東省を見つけたのです。

-私のDIG&DIG-

野澤組は、なんとかする。
そのイメージを獲得してきた。

筒井 チアゴ繊維部2018年入社

野澤組は、なんとかする。
そのイメージを獲得してきた。

ユーラシア大陸に通う。

入社してからずっと繊維部で主にデニム商品を担当しています。海外へは結構行っています。コロナが広がる前は3ヶ月に1回は中国工場に行っていましたし、タイやミャンマーの生地屋をまわっていました。今はトルコの生地屋とやり取りをしています。また最近では輸入だけでなく、日本製を海外に売り出す取り組みも。自社ブランドを立てて、浴衣、傘、ニット、ポンチョ、レインコート、全部デニムで作っています。ヨーロッパ市場ではエコ商品かどうかも重要で、生地の糸に再生ペットボトルを練り込んだりと素材にもこだわっています。

スカート事情、詳しいです。

うちで作っているデニム商品はレディースが多くて、お店に確認しに行く時は母を連れていくんです(笑)。ほんと恥ずかしいんですが。レディースの特徴としては、ストレッチ素材を使ったものが多い。ストレッチ生地の糸が伸び切ってしまうと、それはもう商品として使えないのですが、デニムは洗いをかける都合上、1枚1枚同じには出来上がらないんですよね。どこまでを許容範囲とするか、正解はありません。スカートならウェストは小さいと入らないからダメだけど、裾は広がってもはけるから交渉しやすい、とか。納品後にお客様から売れた報告を受けるまではドキドキです。

縫製の難しい問題、解決しました。

創意工夫は、繊維部にとって日常茶飯事。ブランドごとにいろんなデザインが求められますから。たとえば縫製の時に使う糸をラメ入りにしたいと。やってみたら熱でラメが溶けちゃいました。いろいろ実験して、最終的には糸に透明のプラスチックをコーティングしてみたら、熱をかけてもキラキラが残るように。溶けない温度もだいぶ研究しましたね。あとはこれまでの縫製ではできなかった位置に刺繍したり。お客様も、野澤組ならなんとかしてくれるんじゃないかと信頼されていると思います。